招待講演ガイドライン
「シミュレーション天文学最前線2002」招待講演ガイドライン
●招待講演の意味
シミュレーション天文学最前線2002 SOC では招待講演で(A)最前線のレビュー
と(B)チュートリアルを行なっていただくことを希望しています。今回このよ
うなテーマを選んだ理由は2つあります。
(1)すでに理論天文学の強力なツールに成長したシミュレーション天文学が切
り開いている最前線を理論天文学コミュニティー全体で概観し、シミュレー
ション天文学を含む理論天文学の新たな発展の方向性を探っていくことは、
理論天文学のシニア、若手研究者双方にとって重要である。
(2)特に発展段階にある若手研究者には、シミュレーション天文学のよって立
つ基盤(物理学的、天文学的、計算科学的)を理解し、その研究の最前線を
俯瞰することを通じて、シミュレーションを含む自分の研究を理論天文学
の学問的進歩に結び付けて考える見方を育てていきたい。
そこで、SOC からの希望として、チュートリアルと最前線のレビューで触れて
いただければと考えている点を以下にまとめておきます。
講演時間が1時間と限られておりますので、必ずしもすべての項目について話
していただかなくても結構ですが、★印の項目は特に重要と考えられますので、
必ず触れていただきますようお願いします。
また、集録では以下の項目を概ね全て含んだ原稿を用意していただけると、各
分野のチュートリアルに一貫性が保たれて、読者にとって有益であると思いま
すので、その点についてご配慮お願いします。集録については、のちほど詳し
く御案内します。
●チュートリアル
[基本問題]
[問題の位置づけ]
あなたの研究領域であなたが最近進められている研究を例にとって、その領域
の基本的課題が何なのかを御説明下さい。その上で、その領域の研究の現状に
簡単に触れていただき、そのなかで最近のシミュレーション研究が純理論的研
究、観測的研究をふくめてどのような位置にあるのかを御説明下さい。
これからお話しになるシミュレーション研究のよって立つ基盤をここで説明し
ていただきたいと思います。
項目例
★対象となる天体・天体現象
★基本問題の例
[基礎方程式系]
物理的定式化、基礎方程式系、近似について簡単にお話し下さい。その際、可
能であれば、数学的分類、式の性質についても簡単に述べて下さい。特に、定
式化で特別な手続きを要するものであれば、それについても触れて下さい。
項目例
★定式化・物理的説明
・近似の内容
・数学的分類
・式の性質
[数値計算法]
基礎方程式系を解くための数値計算法について述べて下さい。シミュレーショ
ン方法の発展の歴史、現状の到達点、その問題点、特徴などを以下の諸点にも
ふれてお話し下さい。もし、その手法を共通に使う他の研究分野と比べてあな
たの研究分野に独自の手法的要求がある場合はそれにも触れて下さい。
項目例
★基本アルゴリズム
・数学的分類
・近似の内容
★他手法との比較(長所・短所)
★計算の難しさと工夫
・計算コスト・典型的な計算時間
・計算の高速化(ベクトル化・並列化・専用計算機など)
[応用]
もしあれば他分野との関連などに触れて下さい。
項目例
・より高度な数値計算法
・他分野との関連
・純理論的もしくは観測的手法との関連
・公開されているソフトウェアの有無
●最前線のレビュー
チュートリアルを踏まえて、最新の研究をレビューして下さい。このとき、最
初の[問題の位置づけ]でまとめられた基本的課題に対するアプローチのどの部
分にそれらの研究が該当するのかがわかるように、そして、基本的課題に対す
る展望を含むようにお話し下さい。
項目例
★最前線の天体シミュレーションの例
・関連する最新のトピック
★今後の課題