*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=* 理論懇ニュース  1998年2号 *=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=* 発行: 理論天文学懇談会事務局     (東京大学理学系研究科天文) 電話: 03-3812-9224 ファックス:03-3813-9439 e-mail: shigeyama@astron.s.u-tokyo.ac.jp 1998年4月13日 【報告事項】 ---------------------------------------------- 京大基研からの報告 ---------------------------------------------- (1)人事関係 <スタッフ> 着任: 野尻 美保子(素粒子分野 助教授: 1997年10月 ← KEK) 伊藤 克司 (素粒子分野 助教授: 1998年4月 ← 筑波大) <宇宙関係の若手> 転出: 千葉 剛 COE → 東大理 学振 長澤 倫康 学振 → 神奈川大 助手 転入: Istvan Racz 学振 椎野 克 COE 瀬戸 治 (M1) 継続: 森沢 理之 (M2) 井上 太郎 (D1) 向山 信治 (D3) 谷本 真幸 (学振) 坂井 伸之 (学振) S. Hayward (EU fellow) <宇宙関係客員教授> 1998年2月 --- 1998年6月 W. Israel(宇宙) 1998年10月 --- 1999年5月 T. Piran (宇宙) (2)研究部員会関係 1. 1998年度前期研究計画(省略) 2. YKIS99 ``New Eyes in the 21st Century: Black Holes and Gravitational Waves'' (実行委員長:中村 卓史) 開催時期は1999年後半の適当な時期 3. 基研研究会の実施に関する注意:最近、基研研究会の世話人が、準 備段階できちんと対応しない例が見られる。世話人は、開催日程の決定、参加 者名簿の作成などの作業を、共同利用事務室と協力して十分時間の余裕を持っ て進めてほしい。また、滞在型研究会の運用に関しても混乱が見られる。滞在 型研究会は、研究会期中、基研研究員として居室、コンピューターアカウント 等のフルサポートが保証されるものなので、無理のない実行計画に基づいて実 施してほしい。 4. Visitor制度(滞在1ヶ月まで、滞在費サポート1週間以内)をもっ と活用してほしい。 ---------------------------------------------- 国立天文台からの報告(犬塚修一郎) ---------------------------------------------- (1)ADS article service (2)AAS mirror service (ApJ, AJ, PASP) (2/18天ネットで案内) アメリカ天文学会(AAS)から電子出版されている天文雑誌 (ApJ, AJ, PASP) の ミラーサービスを開始しました。URLは http://ads.nao.ac.jp http://aas.nao.ac.jp です。なお、これらの雑誌は購読契約を行なった方(機関)のみ閲覧することが できます(国立天文台のマシンからは閲覧可能になっています)。 ADS および AAS のミラーサービスの担当は多賀正敏(教務補佐員)ですが、 お問い合わせは下記にお願いいたします。 国立天文台天文学データ解析計算センター(NAOJ/ADAC) 天文データセンター 〒181-8588 東京都三鷹市大澤2−21−1 国立天文台 DB/DAプロジェクト室(北研1階) FAX: 0422-34-3840 E-mail: data_center@adac.mtk.nao.ac.jp (3)国際会議「Numerical Astrophysics 98」3/10-13 開催 国内120人 + 国外61人 (4)天文情報公開センターの設立 ---------------------------------------------- 理論懇会費納入 ---------------------------------------------- 3月中に郵便振り込み用紙と各人の会費納入状況を郵送します。以前の年度分で未払 いの場合にはその分合わせて御支払い下さい。会費は 一般: 2,000円/年 学生: 1,000円/年 です。 ---------------------------------------------- 日本の理論天文学改訂版発行 ---------------------------------------------- 西 亮一氏がまとめ役。原稿締切は5月末(原稿募集は4月より始める)。冊子は次回天文学 会で配る予定。 ---------------------------------------------- 第11回 理論懇シンポジウム(1998) ---------------------------------------------- 会場:京都大学基礎物理学研究所 (予定) 日時:1月6日午後1時--8日午後4時(予定) SOC: 川崎、杉山、羽部、嶺重 LOC: 小玉、田中、中尾、嶺重 ・研究会日時について: 今年は12月23日の休日が水曜日にあたり、この週で3日とると必ず土、 日、祝日のいずれかにかかり、基研が使いにくいという事情があります。 また、その前の週の12月14--18日にはテキサスシンポがあり避けた 方がよろしいということで、来年年明け早々が第一候補です。 研究会タイトル ``天文学の境界領域を探る'' (仮題) ・今回の理論懇シンポでは従来のスタイルのセッションに加え、特別セッション 「天文学と他の分野との境界領域を探る」を予定しています。このセッション では、天文学と既に親密な関係をもっている分野や、今までほとんど接点がな かったものの、今後天文学者にも興味深い進展が期待できる分野等で研究を進 めておられる研究者、さらにユニークな研究をしておられる天文学者に、専門 外の人にもわかりやすいレビューをしてもらう予定です。 時間割りに関する案 9:30 11:30 13:00 15:00 16:00 18:00 --|-----------|-----|-----------|----|-----------|--- 初日 |<---(2)--->| |<---(2)--->| 二日目 |<---(2)--->| |<-----(3)------>| 総会 懇親会 三日目 |<---(2)--->| |<-----(3)------>| ・全日程でのべ約14時間 ・今回はできるだけ大学院生・若手研究者に口頭発表の機会を与える。 -> 通常セッションで、口頭発表の枠をもうける(講演10分+質疑2分?)。 -> ポスター発表する人にも、口頭で宣伝する時間をとる(一人1分?)。 内容に関する案 (A) 境界領域: 全部で約6時間 (レビューのみ) (講演50分+質疑10分)×6 候補 (いずれも仮題) (1) 最近の素粒子物理の話題 (2) 実験室でストリングをつくる (3) アキシオン探索実験 (4) 複雑系の科学/カオス (5) レーザーによる実験室天文学 (6) 社会との接点(?) 科学と幸福(?) (7) 時間の矢(?) 疑似科学について(?) (B) 宇宙論関係: 全部で約2時間 (1セッション?) 川崎、杉山で座長指名。 セッション(A)の(1)をこちらにまわしてもよい。 (C) 天文関係 : 全部で約5時間 (3セッション?) (1) 銀河/銀河団関連 (羽部さん担当) 1セッション約2時間、座長に一任 (2) AGN/コンパクト天体関連 (担当嶺重) 1セッション約2時間、座長に一任 (3) 太陽物理 (seismology or solar flares) レビュー(40分+10分) (D) ポスター口頭発表時間 (1分×50人? = 約1時間?) 今後の予定 1998年3月 座長・review 講演者依頼 3月末 国立天文台の研究会援助プログラムに申請 5月?? 基研申し込み、提案説明 秋 旅費等事務手続き開始 一般講演募集 【議題】 ---------------------------------------------- 次期事務局 ---------------------------------------------- 次期事務局は今年10月から国立天文台理論部が引き受けることになった。 ---------------------------------------------- 国立天文台計算機の運用についての要望 ---------------------------------------------- つぎの4点について検討することになりました。 (1)開発(デバッグ)ジョブクラス開設などを含むジョブ・クラスをどのよう に設定するか。 (2)計算結果を一時的に格納する大容量ディスク(が現在かなり枯渇している のですが)などの利用方法の改善 (3)ベクトル化並列化をプロモートする方法の検討 (4)並列ベクトル機の性能を引き出した計算をプロジェクトとして選んで行く ための申請書の記載事項の精選と充実。 これを、ユーザの意見を聞きながらセンターと相談しつつ改善する役を以下の4 名に委嘱しました。伊藤(天文台データ解析センタ)、須藤(東大理)、富阪 (新潟大)、和田(天文台理論)です。以下にスーパーコンピュータユーザ宛に 配った意見募集のメールを再録しますのでこれを読んでいただいた方がイメージ がわくかも知れません。 ----------------------------------------------- スーパーコンピュータユーザの皆様 # # 国立天文台データ解析センター・スーパーコンピュータ共同利用3年め # ここが困った。こうすれば良いのでは。意見募集 # あて先 scwg98@cc.nao.ac.jp # 〆切 4月16日(2週間後) # 1。はじめに さる3月27日に理論計算機専門委員会が開催され、その際、天文台の計算機 の共同利用(or運用)体制について議論されました。 そこでは97年度の後期になってVPP/VXの利用が大変に多くなり、長時間の実 行待ちやディスクスペースが非常に窮屈になるなどの状態が発生したことが報告 されました。したがってこれからの共同利用は、ただ計算すればよいという初歩 段階から、数値的天文学上で重要な計算を行なって行くという方向へシフトして 行かなければならない段階に達したと言えるでしょう。 2。今後の共同利用の力点 そのために現在のVPP/VXの理論シミュレーション分野での共同利用は (1)利用の高度化(並列ベクトル機の性能を引き出した計算を実現する。その ための並列化、ベクトル化のよりいっそう)の推進。 (2)それをサポートあるいはプロモートする運用形態への移行。 (3)ユーザーの層をよりいっそう厚くして行く努力。 などに力を入れて行く必要があるのではないかと議論されました。 3。現状の問題点 しかし、現実のVPP/VXのシステムやその運用、また理論シミュレーション分野 のプロジェクト審査手続きにはユーザにとって不満な点があることも事実です。 そこで主に以下の4点についてユーザの意見を集約し、改善案を検討する作業を 行なうことになりました。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ (1)開発(デバッグ)ジョブクラス開設などを含むジョブ・クラスをどのよう に設定するか。 意見の例:現在のプロダクトランに特化したシステムでは並列ジョブの デバッグがほとんど不可能であると報告されています。また現在はVPP とVX41台のみが「使用時間がカウントされて」いますが、その割り振 りはよいのか。 (2)計算結果を一時的に格納する大容量ディスク(が現在かなり枯渇している のですが)などの利用方法の改善 例:強制マイグレーションの導入、大容量ディスクをnfs exportして計算 結果の解析を容易にすべきとかtouchを禁止せよとの意見もあります。 (3)ベクトル化並列化をプロモートする方法の検討 例:ベクトル化や並列化の低いジョブへの自動警告の導入やベクトル化の 低いジョブの使用時間を実時間より割増すという意見もあります。 (4)並列ベクトル機の性能を引き出した計算をプロジェクトとして選んで行く ための申請書の記載事項の精選と充実。 例:参考文献の提示や図を使った説明、ベクトル化(加速)率や並列化 (加速)率などを示すことを求める意見もあります。これは並列ベク トル機の性能を引き出してここの計算機に適しており、かつ数値的天 文学上重要な計算をプロモートすべきだという考えからでた意見です。 4。全ユーザーの意見を この見直しの作業は、(1)問題点のまとめ、(2)おおよその改善策の方向 性(中間報告)決定、(3)改善案作成の3段階でおこない、これらはそれぞれ 全ユーザ(allvpp.cc.nao.ac.jp)に報告します。ユーザの皆さんには、問題点や その改善案を指摘していただきたいと思います。あて先は scwg98@cc.nao.ac.jp で受けつけます。allvppに御自分の意見を投稿することは構いませんが、(allvpp ユーザ全員が議論したがっているというわけでもないと思いますので)継続的に 議論に参加されたい方はscwg98のグループに加わっていただきたいと思います( メールにその旨記載下さればこちらで加えます)。 なお、この作業は、伊藤(天文台データ解析センタ)、須藤(東大理)、富阪 (新潟大)、和田(天文台理論)がコーディネータとなって、データ解析センター (および富士通)と協議しながら行ないます。 最後に、強調しますが、さまざまな研究グループがスーパーコンピュータのど のような利用をおこなっているかについて、データ解析センタもコーディネータ も熟知しているわけではありません。さまざまな角度からの意見・要望を期待し ています。 (文責:富阪幸治) 茂山俊和   Toshikazu Shigeyama