*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=* 理論懇ニュース 2008年第3号 *=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=* 2008年10月6日 発行: 理論天文学宇宙物理学懇談会事務局 内容: 秋の学会での天文・物理部会の議事要録 天文部会 日時: 2008年9月12日(金) 場所: 岡山理科大学 物理部会 日時: 2008年9月22日(月) 場所: 山形大学 目次: 1.事務局からの報告 2.国立天文台 理論研究部からの報告 3.京大基研からの報告 4.共同利用・共同研究拠点に関する動きと理論懇への依頼 5.会費納入に関する議論 6.海外在住者の会費免除に関する議論 7.本年度理論懇シンポジウムについて ########################################################### 1.【事務局からの報告】 <会計報告> 前回報告分(3月20日現在)  2,493,049円 会費納入(33件)  309,840円 ----------------------------------------------- 残額          2,802,889円 2.【国立天文台 理論研究部からの報告】 (1)<人事関係> ・採用 CfCA助教  大須賀 健 (理研) 研究支援員 山崎 大  (総研大) ・転出 天文台研究員 当真賢二 → Penn State U. 研究員 瀬戸直樹 → 京大物理 助教 CfCA専門研究職員 杉山 耕一朗 → 北大GCOE研究員 (2)<滞在型研究員制度のお知らせ> 4月から理論研究部で実施(国内2名、海外1名)しているが、天文台全体で も実施することになった。 ●滞在型研究員制度要項 目的:2008年度より国立天文台に滞在して所属スタッフと共同で研究する 滞在型研究員制度を発足させたい。これは、外部評価(2008年3月〜5月) において、委員よりvisitor programの整備、拡充が要請されたことによる。 将来的には「滞在型研究会」の開催も検討中。 対象:国内外の研究機関に所属する天文学および周辺分野の研究者(大学 院生、ポスドク研究員、常勤研究者を問わない)なお、理論研究部先行例 (本年4月〜)では国内2 名、海外1名いずれも院生。国立天文台キャンパ スにおおよそ2週間〜1ヶ月間[海外客員1ヶ月以上]滞在し、国立天文台所 属スタッフ(ポスドク研究員、大学院生を含む)とともに研究手法を研修 したり、共同で研究を行う方を対象。共同研究を伴わない観測機器、実験 機器、計算機の利用だけの滞在は対象としない。希望者は、国立天文台の 受け入れ研究者と(院生・ポスドクの場合はスーパーバイザーとも)相談 し、(院生・ポスドクの場合は3者で)共同して書類を作成し、所属プロジェ クト長等の了承を得て、国立天文台の受け入れ教員が申請する。 滞在型研究員の権利: 所属機関から国立天文台三鷹キャンパスまでの旅費、三鷹キャンパスコ スモス会館の滞在費を支給受け入れキャンパス内に研究場所を確保 滞在型研究員の義務: 終了後1ヶ月以内に成果報告書を提出。報告書はホームページに掲示し公表。 この制度による研究を発表する場合は、謝辞にその旨を記載。 (3)<CfCA計算機利用関連> ●HPCシステム(SX-9/XT4)試験運用終了と後期申請 CfCAの主力計算機システムである XT4/SX-9 システムは、本年4月か9月 までの試験運用期間を経て、いよいよこの10月から、本格的に共同利用 に供されています。X9/XT4の試験運用は10月5日(日)で終了し、後期の 利用開始は、10月7日(火)の予定です。これ以降もご利用を希望するユー ザは、後期共同利用に応募してください。(2008年9月までの試験運用期 間中にシステムを利用されていた方も「新規」で申請する必要がありま す。)尚、後期共同利用で採択されたユーザのホームディレクトリは保 持されますが、/work のデータは、消去されますので、各自データの退 避をお願いします。本システムの今期の利用申請は9/17に締め切られま した。尚、 XT4/SX-9 以外の計算機システム(GRAPE系機器および汎用PC システム)については、新規に申請を行わなくても今年度一杯の利用が可 能です。 ●ベクトル・並列計算機NEC SX-9中級講習会開催のお知らせ 10月16、17日に、国立天文台輪講室において、SX9ユーザー向けの講習 会を行います。内容は、チューニング技法の向上、ライブラリーデバッ ガなどのプログラミング環境を使いこなすことを目的としています。な お、参加希望は9月9日に既に締め切られました。 (4)<国立天文台外部評価 国際評価委員会報告> 平成20年6月 外部評価委員会: ロナルド・エカース オーストラリア国立天文台(世界天文連合会長) ピート・ハット プリンストン高等研究所・教授 ジャック・ハーベイ 米国太陽観測天文台・台長 ロルフ-ピーター・クドリツキー ハワイ大学天文学研究所・所長 岡村 定矩 東京大学・教授(学務担当副学長) ●報告書理論部CfCA関連抜粋 ・国立天文台は、国立の小規模な研究グループから現代天文学を世界的 にリードする機関へと発展を遂げた。国立天文台は、大学共同利用機関 として世界でも最先端の天文学研究施設の利用を提供すると共に、新し い天文学研究を触発するための中核的役割を果たしている。世界的にも 国立天文台は、豊富な経験と専門知識を持つ科学的なレベルにおいて最 も力量のあるパートナーとして認められている。 ・天文シミュレーション用の専用計算機を開発することを目的とした GRAPE計画は、世界の理論天文学に大きなインパクトを与えた。新しく 開発されたGRAPE-DR素子は、効率的な高速演算が必要な応用では、プロ グラムが可能な世界最速の計算機素子であり、国立天文台を世界で最も 強力な計算天文物理学の中核拠点と成らしめた。 ・本評価委員会は、国立天文台理論研究部と天文シミュレーションプロ ジェクトの、日本の天文学における独自な役割について認知する。また、 客員プログラム(中期、長期)、注意深く選定された研究開発計画への さらなる資金提供、そして3名の本採用職員の増員(第一にGRAPE、第 二に4D2Uプロジェクト、第三が理論と観測を結ぶ役割を果たせる者)、 等の部門強化のためのいくつかの方策を提案する。 3.【京大基研からの報告】 (1) 人事 所員人事 <着任> 2008.4.1 田中貴浩(宇宙、教授) 京都大学大学院理学研究科准教授より 大西 明(原子核、教授) 北海道大学大学院理学研究院准教授より <選考中> 教授(宇宙物理学(理論)) 2008年6月30日締め切り済 -> 天文学会後、柴田大氏(東大)に決定しました。 GCOE特定准教授     2008年8月31日締め切り済 GCOE非常勤研究員  2008年9月4日締め切り済 選考中 外国人客員教授 2008年9月1日〜2008年11月30日 Douglas C. Heggie (The Univ. of Edinburgh:宇宙) 2009年度予定 David Graham Wands (Univ. of Portdmouth:宇宙) (2) 平成20年度特別教育研究経費(拠点形成)継続 「クォーク・ハドロン科学の理論研究の新たな展開を 目指す国際共同研究プログラム」 クォーク・ハドロン科学の分野及びストリング理論から物性、宇宙論にわ たる周辺の学際的研究テーマについて、世界中の研究者が参加する長期滞 在型国際共同研究プログラムを組織し推進 A.アドバイザーとして特任教授採用:矢崎 紘一氏 B.2008年度国際滞在型研究会2件(YKIS08、西宮湯川ワークショップ) C.国際モレキュール型プログラム:コアとなる外国人を2週間以上招聘し、 グループディスカッションを行うプログラム。 2008年度は6件を実施済みまたは実施予定。宇宙では a.インフレーション宇宙 2008.4.1−6.30 コアメンバー:Andrei Linde、Renata Kallosh、佐々木節 b.高階微分重力理論と高次元ブラックホール 2008.10.16−11.5 コアメンバー:Christos Charmousis、早田次郎(京大理), 田中 貴浩 が実施済みまたは実施予定。 さらに所外から1-2件を募集中。 応募予定者は所内滞在型実行プログラム委員会に相談。 D.ホームページ http://www2.yukawa.kyoto-.ac.jp/~yipqs/index.html (3) 2008年度後期研究計画(一般) 追加募集の研究計画について採否審議中 -> 天文学会終了後、「巨大ブラックホール天文学:最新の動向と課題」 が採択されました。 (4)湯川記念館改修完了・パナソニック国際交流ホール完成 平成19年度から行っていた湯川記念館の耐震改修工事が終了。 湯川記念館1階中庭に150名を収容できる、パナソニック 国際交流ホール(Panasonic Auditorium) が完成。 (5)グローバルCOE 京都大学グローバルCOEプログラム 「普遍性と創発性から紡ぐ次世代物理学-フロンティア開拓のための 自立的人材養成-」(拠点リーダー 川合 光 理学研究科教授) が採択され、理学研究科などとともに本年度から事業開始。 ・人事公募 特定准教授、研究員(佐合紀親さんに決定) ・人材育成 BIEP(双方向滞在型国際交流プログラム) 大学院生の国際招聘および海外派遣による国際交流制度 TRA(Teaching Teaching-Research Assistant Assistant)制度 ・最先端領域と融合領域で研究プログラムを推進・発展、特別研究ユニット によって新分野を開拓 ・外国人招聘、国際会議 ・国内ビジター制度 などのプログラムあり。 (6)運営関係 委員会 2008年9月19日 第151回運営委員会 2009年1月22日 第8回共同利用委員会 2009年1月23日 第152回運営委員会 所長・副所長について 所長 江口 徹氏(2007年4月1日より任期2年) 副所長 静谷 謙一氏(2008年4月1日より任期1年) 運営委員(宇宙) 2007年8月1日より任期2年 須藤 靖(東大院・理) 杉山 直(名大院・理) <所内>佐々木 節、田中 貴浩 共同利用委員(宇宙)  2007年1月1日より任期2年 横山 順一(東大院・理) 犬塚 修一郎(京大院・理) <所内>長滝 重博 (7)大型計算機更新の流れ 2010年度(2010年12月?2011年1月?) 更新予定。 それに先立ち、今年度、監査が入る(学内、業者による2回の監査)。 その後、予算が決定される(2009年度?2010年度?)。 京大の大型計算機としては主に以下のものがある。 情報メディアセンター 11億/年。全国共同利用。課金制度あり。 諮問委員会の委員長はここのセンター長。 化研 3.5億/年 全国共同利用。 基研 1.6億/年。全国共同利用。 数研 0.5億/年。 基研は京大の中でも上位に入る程の大きな予算を獲得している。 この予算を守れるか。 現在の情報: A.基研会計係長の木村さんが、他部局に問い合わせたところ、 基研に1億5千万/年程度のレンタル料を提供するのは規定路線とのこと。 概算要求などをする必要もない。但しこの規定路線(ルール)は変更される 可能性がある(平成22年度は中期計画の新年度にあたるため)。 B 計算機環境整備委員会にて(今年7月)、 委員長の松山氏より、大学の計算機予算は厳しい風にさらされていて、 部局のもつ無駄で中途半端な計算機は存在意義を問われている。 今回、監査で特に基研は厳しい審査を受け、場合によっては統合も ありうるので覚悟しておくように、とのこと。 4.【共同利用・共同研究拠点に関する動きと理論懇への依頼】 学校教育法施行規則が一部改正され、大学附置研究施設のうちで、全国の研 究者が利用して学術研究の発展に資するものを、文部科学大臣が共同利用・ 共同研究拠点として認定することになっている。これに申請するために、い くつかの研究機関から、理論懇に推薦文を書いて欲しいという要望が来てい る。基本的に、前向きに対応する予定。年末の理論懇総会で改めて議論した いが、その前に決断が必要な場合は運営委員会で議論し、必要なら理論懇 ML でアナウンスや議論を行う。現在までのところ、理論懇に推薦依頼が来 ているのは以下の研究機関である。 東大・宇宙線研究所 筑波大・計算科学研究センター 京大・基研 (以上、理論懇への依頼到着順) 5.【会費納入に関する議論】 以下の点の会則変更案が提示され、特に異論はなかった。年末の総会にて 正式に会則変更予定。 1.長期滞納者に関する会則変更提案 「事務局はその任期中に、会費滞納者の確認を行い、電子メールなどで督 促を行う。特に、前年度までの過去5年間以上(海外在住による免除期間 を除く)にわたり会費を滞納している場合で、催促をしても一ヶ月以上納 入が行われない、あるいは連絡がとれないものは自動的に退会とする。な お、再入会は、過去の滞納分を納めなければ認めない。また、海外在住申 請をしている会員については在外期間中はこの措置は免除する。」 2.5年一括納入に関する海外滞在者の取り扱い 会則変更案:「5年一括納入割引で会費を納入していた会員が海外在住に よる会費免除申請をした場合、海外在住期間については5年のうちに数え ない」 6.【海外在住者の会費免除に関する議論】 「メールで連絡が取れる事も多く、ウェブで投票もできるので、そもそも海 外免除をする必要は無くなってきているのではないか」という意見がでた。 それに対し、「海外在住者はシンポジウムに参加できない、また、海外から 郵便振込で会費を納入するのは困難である」などの反論が出た。当面、従来 通りに海外在住者免除のシステムは運用し、強い意見が出てきた場合は改め て検討する。 7.【本年度理論懇シンポジウムについて】 12月15−17日にかけて、国立天文台(三鷹)で開催されます。 シンポジウムタイトルは「理論天文学の将来 --- シミュレーション研究の役割を探る ---」です。 理論天文学の将来の方向性を、観測との連携など幅広い観点から 考えるとともに、特にシミュレーション研究の役割にも焦点を当てつつ 議論が行われる予定です。 開催内容はほぼかたまり、1st サーキュラーは近日中に発送予定です。